コリコリとした食感と濃厚な甘みが魅力のミル貝。寿司や刺身で食べるイメージが強い貝ですが、実は加熱しても美味しく、いろいろな料理に活用できる懐の深い食材です。せっかく手に入れた高級貝、刺身だけで終わらせるのはもったいない。今回はうちの魚屋でもおすすめしている、ミル貝の美味しい食べ方を五つご紹介します。生でも加熱でも、それぞれの良さを活かした食べ方ばかりです。
ミル貝をさばいていく様子をYouTubeでも動画で解説しています。捌き方から挑戦したい方はぜひ合わせてご覧ください。
ミル貝の捌き方:https://youtu.be/8J1QDesDTqk
【刺身でコリコリ食感を堪能する】
まず一番におすすめしたいのが、やはり刺身です。ミル貝の魅力は何といってもあのコリコリとした歯ごたえと、噛むほどに広がる濃厚な甘み、そして磯の香りです。湯通しして皮をむいた水管を薄めにそぎ切りにし、わさび醤油でシンプルにいただくのが一番です。少し厚く切るとより食感を楽しめますが、薄めに切ると甘みが感じやすくなるので、お好みで調整してください。うちの魚屋でも、お正月や祝いの席にミル貝を求めるお客さんが多く、刺身でその贅沢な味わいを楽しまれる方がほとんどです。新鮮なミル貝が手に入ったら、ぜひまずは刺身で味わってみてください。
【ミル貝の握り寿司】
ミル貝といえば寿司ネタの定番です。家庭でも、薄く切った水管を酢飯にのせるだけで、本格的な握り寿司が楽しめます。コリコリとした食感とほのかな甘みが酢飯とよく合い、口の中で磯の香りが広がります。水管を切る時に、表面に細かく包丁を入れて飾り包丁を施すと、見た目が美しくなるうえに食感も柔らかくなり、より食べやすくなります。手巻き寿司の具材としても喜ばれます。少し贅沢な手巻きパーティーの主役として並べれば、食卓が一気に華やぎます。
【ミル貝の湯引き・ぬた】
加熱して食べるなら、湯引きにして酢味噌でいただく「ぬた」が絶品です。水管をさっと湯通しすることで、甘みが引き立ち、コリコリ感も程よく残ります。湯通ししたミル貝を食べやすく切り、わけぎや青ねぎと一緒に酢味噌で和えれば、お酒のおともにぴったりの一品になります。生で食べるのが少し心配な時にも、湯引きなら安心して楽しめます。酢味噌のさっぱりとした酸味がミル貝の磯の風味とよく合い、いくらでも食べられる美味しさです。
【ミル貝のバター焼き】
ミル貝は火を通すと甘みがぐっと増します。水管やヒモの部分を一口大に切り、バターでさっと炒めて醤油をひと回しするだけで、香ばしいバター醤油焼きの完成です。加熱しすぎると硬くなってしまうので、強火で手早く仕上げるのがコツです。バターのコクと醤油の香ばしさ、そしてミル貝の磯の旨みが合わさって、ご飯にもお酒にもよく合う一品になります。刺身用には使わないヒモの部分も、こうして炒め物にすれば無駄なく美味しくいただけます。
【ミル貝の炊き込みご飯】
ミル貝の旨みを存分に味わうなら、炊き込みご飯もおすすめです。細かく切ったミル貝の身を、出汁、醤油、みりんで味付けしたご飯と一緒に炊き込むだけで、磯の香りが立ち上る贅沢な一品になります。貝から出る旨みがご飯全体に行き渡り、噛むたびにミル貝の甘みが楽しめます。仕上げに刻んだ三つ葉や生姜を散らすと、香りがさらに引き立ちます。貝類の炊き込みご飯は、店でもおすすめすると喜ばれる定番の食べ方です。少し余ったミル貝を無駄なく使い切るのにもぴったりです。
【まとめ】
ミル貝は、刺身や寿司でコリコリの食感と濃厚な甘みを味わうのはもちろん、ぬたやバター焼き、炊き込みご飯と、加熱してもその旨みを存分に楽しめる魅力的な貝です。生で食べれば歯ごたえと甘み、火を通せば増した甘みと香ばしさと、調理法によって違った美味しさを見せてくれます。なお、刺身や寿司など生で食べる場合は、アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。手に入る機会は多くないかもしれませんが、見かけた際にはぜひいろいろな食べ方でミル貝の贅沢な味わいを楽しんでみてください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
