ミル貝の捌き方!魚屋が教えるさばき方の手順とコツ

高級寿司店でおなじみのミル貝。コリコリとした食感と濃厚な甘み、磯の香りが楽しめる貝で、寿司ネタとしても刺身としても根強い人気があります。見た目のインパクトから家庭では扱いにくそうに見えますが、手順さえ覚えてしまえば意外と簡単にさばくことができます。ここでは魚屋の視点から、ミル貝を綺麗にさばいて美味しく食べるための手順とコツを、じっくりお伝えしていきます。

ミル貝をさばいていく様子をYouTubeでも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

ミル貝の捌き方:https://youtu.be/8J1QDesDTqk

【ミル貝とはどんな貝か】
ミル貝は正式にはミルクイという名前の二枚貝で、殻から大きく突き出した黒い水管が特徴です。この水管の部分こそが食用になる主役で、コリコリとした歯ごたえと濃厚な旨みが楽しめます。実は私たちが寿司屋でよく食べている「ミル貝」の多くは、本ミル貝ではなく白ミル貝(ナミガイ)であることも多いのですが、どちらも水管を食べるという点では同じです。本ミル貝は数が少なく非常に高価で、うちの魚屋でもお正月や祝いの席に向けて注文が入る、特別な貝のひとつです。殻から水管がはみ出している独特の姿は一度見たら忘れられません。

【さばく前の準備】
ミル貝をさばくのに特別な道具は必要ありませんが、殻を開けるための貝むきナイフかペティナイフ、それに水管の皮をむくためのお湯を用意しておくとスムーズです。ミル貝は砂を噛んでいることがあるので、さばく前に殻ごとよく洗っておきます。水管は弾力があって動くので、まな板の上で安定させながら作業すると安全です。貝類は鮮度が命なので、さばく直前まで冷蔵庫や氷の上で冷やしておきますが、直接氷水に浸けてしまうと身が水っぽくなるので、氷を当てる程度にとどめておくのがコツです。

【殻から身を外す手順】
まず殻と身の間に貝むきナイフを差し込み、貝柱を切り離します。二枚貝なので、上下の殻それぞれについている貝柱を切ると、身がぽろりと殻から外れます。力任せにこじ開けるのではなく、貝柱の位置を狙って刃を滑らせるのがコツです。身が外れたら、水管と内臓、ヒモの部分に分けていきます。食べる主役は太い水管の部分なので、ここを傷つけないよう丁寧に切り分けてください。内臓部分は刺身には使いませんが、後ほど加熱料理に活用できます。

【水管の皮をむく】
水管の表面は黒っぽい皮で覆われていますが、この皮はむいて中の白い身を食べます。皮をむきやすくするために、水管にさっと熱湯をかけるか、軽く湯通しします。熱を加えると黒い皮が縮んでむきやすくなります。湯通ししたらすぐに氷水にとって身を引き締め、指や包丁の背を使って黒い皮をするりとむいていきます。この皮むきがミル貝のさばき方で一番のポイントです。皮が綺麗にむけると、中から艶のある白い身が現れます。むいた後は水管を縦に開いて、中の汚れや砂を流水で洗い流してください。

【刺身用に切る】
皮をむいて洗った水管は、いよいよ刺身用に切っていきます。水管を縦半分、あるいは食べやすい大きさに開き、薄めにそぎ切りにするとコリコリとした食感が引き立ちます。厚く切るよりも、やや薄めに切った方が独特の歯ごたえと甘みを存分に楽しめます。切れ味の良い包丁ですっと引くように切ると、断面が綺麗に仕上がります。店では切る直前まで身を冷やしておき、コリコリ感が最大限になるよう仕上げています。

【まとめ】
ミル貝は見た目こそ豪快ですが、貝柱を切って身を外し、水管を湯通しして皮をむくという手順さえ覚えれば、家庭でも十分にさばくことができます。一番のポイントは、水管に熱湯をかけてから氷水で締めて皮をむくことと、コリコリ感を活かすためにやや薄めに切ることです。なお、ミル貝を刺身など生で食べる際は、アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。手間をかけてさばいたミル貝の濃厚な甘みとコリコリの食感は、家庭で味わうと格別です。ぜひ挑戦してみてください。

魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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