鮮やかな赤い体に大きな目、そして上品な脂をたっぷり蓄えた黒メヌケ。煮付けや刺身で楽しめる高級魚として知られていますが、実際どんな魚なのかを詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。深海から獲れるその独特の生態や、なぜこれほど脂がのっているのか、気になる方も多いはずです。ここでは魚屋の視点から、黒メヌケの生態や旬、そして美味しさの秘密まで、じっくりとお伝えしていきます。
魚の捌き方はYouTubeチャンネル「おととチャンネル」でも動画で解説しています。黒メヌケをさばいていく様子もご用意しましたので、ぜひ合わせてご覧ください。
黒メヌケの捌き方:https://youtu.be/f05Vkf5gYK4
【黒メヌケの名前の由来と特徴】
黒メヌケはメバルやカサゴと同じフサカサゴの仲間で、深海に生息する赤い魚です。「メヌケ」という名前は、深海から急に引き上げられた際に、水圧の急な変化で目が飛び出してしまうことに由来しています。「目が抜ける」ことから、メヌケと呼ばれるようになったというわけです。鮮やかな赤い体色と、深海魚らしい大きな目が最大の特徴です。メヌケと呼ばれる魚にはいくつか種類がありますが、いずれも赤い体色と上品な脂を持つ点で共通しています。大型のものは数キロにもなり、その堂々とした姿と美しい赤色は、店頭でもひときわ目を引く存在です。
【生態と分布】
黒メヌケは、水深数百メートルという深い海に生息する深海魚です。冷たく暗い深海でゆっくりと成長するため、身にしっかりと脂を蓄えています。深海は水温が低く、魚たちは体を維持するために脂肪を多く蓄える傾向があり、これが黒メヌケの上品な脂ののりにつながっています。日本では主に北の海の深場で漁獲され、底引き網などで獲られています。深海に暮らすため、私たちが普段その姿を目にする機会は少なく、市場に出回る数も限られています。深海でじっくりと育まれた魚だからこそ、あの豊かな脂と旨みを持っているのです。
【黒メヌケの旬】
黒メヌケの旬は、脂がのる冬から春にかけてです。寒い時期のものは特に脂のりが良く、煮付けにすると上品な脂がとろけ出し、刺身にすれば白身ながらしっとりとした旨みが楽しめます。うちの魚屋でも、寒くなると脂ののった良いメヌケが入ってきて、煮付け用の切り身を求めて来るお客さんが多くなります。鮮やかな赤色はお祝いの席にも喜ばれ、寒い季節の食卓を彩る魚として親しまれています。深海魚は季節による脂のりの差が出やすく、旬のものとそうでないものでは味わいに大きな違いが出るので、ぜひ脂ののった時期のものを選んでみてください。
【美味しさの秘密】
黒メヌケの美味しさの秘密は、何といっても深海で蓄えた上品な脂にあります。白身魚でありながら、脂がしっかりとのっているため、加熱しても身がパサつかず、ふっくらとした食感が保たれます。煮付けにすれば脂と旨みが煮汁に溶け出し、塩焼きにすれば皮目が香ばしく中はジューシーに仕上がります。刺身にすれば、白身の上品さと脂の甘みを同時に味わえます。クセのない淡白な白身に上品な脂がのっているという絶妙なバランスこそが、黒メヌケが高級魚として愛される理由です。さらに頭や中骨からも良い出汁が出るので、一尾を余すところなく楽しめるのも大きな魅力です。
【まとめ】
黒メヌケは、深海でじっくりと育まれ、上品な脂をたっぷり蓄えた赤い高級魚です。大きな目は深海から引き上げられる際に飛び出すことに由来し、その名の通り深海の暮らしを物語っています。旬は冬から春で、脂ののったこの時期のものは煮付けや塩焼き、刺身と、さまざまな料理でその美味しさを発揮してくれます。淡白な白身に上品な脂がのった絶妙な味わいは、一度食べると忘れられません。手に入る機会があれば、ぜひこの奥深い深海の高級魚を味わってみてください。きっとその上品な旨みに魅了されるはずです。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
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