黒メヌケは上品な脂と旨みを持つ高級魚ですが、その美味しさを存分に引き出すには、鮮度の管理と下処理が欠かせません。せっかくの良い魚も、扱い方を間違えると脂が酸化したり臭みが出たりして、本来の味わいが損なわれてしまいます。逆に、正しい保存と下処理を知っていれば、家庭でもお店のような美味しさを長く保つことができます。ここでは魚屋の視点から、黒メヌケの鮮度を守り、旨みを最大限に引き出す方法をお伝えします。
黒メヌケをさばいていく様子をYouTubeでも動画で解説しています。下処理の参考にぜひ合わせてご覧ください。
黒メヌケの捌き方:https://youtu.be/f05Vkf5gYK4
【買ってきたらまずやるべき下処理】
黒メヌケを一尾で買ってきたら、できるだけ早く下処理に取りかかるのが鮮度を保つ第一歩です。まずは鱗を落とし、頭を落として内臓を取り除きます。内臓は傷みが早く、放っておくと身に臭みが移ってしまうので、なるべく早く取り出すことが大切です。腹の中の血合いは臭みのもとになるので、包丁の先で丁寧にかき出し、流水でしっかり洗い流してください。洗った後は水分が残らないよう、キッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。この水気を取るひと手間が、鮮度と味わいを保つうえでとても重要です。
【切り身の冷蔵保存】
切り身にした黒メヌケを冷蔵保存する場合は、表面の水分をしっかり拭き取ってから、一切れずつキッチンペーパーで包み、さらにラップでぴったりと包みます。空気に触れると脂が酸化して風味が落ちてしまうので、空気を遮断することが大切です。包んだ切り身は冷蔵庫のチルド室で保存し、二日ほどを目安に食べきるようにしてください。保存中にドリップ(赤い水分)が出てきたら、その都度ペーパーを交換すると鮮度が長持ちします。煮付けや塩焼きなど加熱して食べる場合でも、新鮮なうちに調理した方が断然美味しく仕上がります。
【冷凍保存と解凍のコツ】
すぐに食べきれない場合は、冷凍保存がおすすめです。水気をしっかり拭き取った切り身を一切れずつラップで包み、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍します。こうすることで冷凍焼けを防ぎ、脂の酸化も抑えられます。解凍する時は、冷蔵庫に移してゆっくり時間をかけて戻すのが基本です。常温で急いで解凍するとドリップが大量に出て、旨みが流れ出てしまいます。塩水解凍といって、海水程度の塩水に短時間浸けてから冷蔵庫で戻す方法もおすすめで、ドリップが出にくく旨みを保てます。煮付けや鍋に使うなら、半解凍の状態から調理しても美味しく仕上がります。
【脂を活かす下処理のひと工夫】
黒メヌケは脂がのった魚なので、その脂を活かす下処理が美味しさの鍵になります。塩焼きにする場合は、焼く少し前に塩を振って余分な水分を出しておくと、身がふっくらと焼き上がり、臭みも抜けます。煮付けにする場合は、切り身にさっと熱湯をかけて霜降りにし、表面の汚れやぬめりを落としてから煮ると、煮汁が濁らず上品に仕上がります。このひと手間で、黒メヌケの上品な脂と旨みがぐっと引き立ちます。店でも煮魚の下処理には霜降りを欠かさず、お客さんに澄んだ美しい煮付けを届けられるよう心がけています。
【まとめ】
黒メヌケの美味しさを守るために大切なのは、早めに内臓を取り除くこと、水分をこまめに拭き取ること、そして空気に触れさせず低温で保存することの三つです。冷蔵なら二日ほどを目安に食べきり、それ以上保存したい時は早めに冷凍するのが賢い方法です。塩焼きや煮付けの前に下処理のひと手間を加えるだけで、黒メヌケ本来の上品な脂と旨みが見違えるほど引き立ちます。なお、刺身など生で食べる場合は、アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。正しい保存と下処理を身につけて、黒メヌケの美味しさを存分に楽しんでください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
