マダラの美味しい食べ方|鍋・天ぷら・白子ポン酢レシピを魚屋が解説

魚屋をやっていると、冬場にマダラを買ったお客さんから「タラ鍋以外の食べ方ってある?」と聞かれることがよくあります。マダラといえばタラ鍋のイメージが強いですが、実は天ぷら・フライ・ムニエルとさまざまな料理に対応できる万能な魚です。さらにマダラの白子は冬の珍味として非常に人気が高く、シンプルにポン酢で食べるだけで絶品の一品になります。今回は魚屋目線で、マダラの美味しさを最大限に引き出す食べ方をご紹介します。
【マダラの鍋】
マダラの食べ方として最も定番なのが鍋です。淡白な白身が出汁をたっぷり吸い込んで、ふわっとした食感と上品な旨みが楽しめます。昆布出汁をベースにした鍋との相性が特に良く、豆腐・白菜・長ねぎ・えのきなどの具材と一緒に煮込むだけで立派な一品になります。
ポイントはマダラを入れるタイミングです。他の具材に火が通ってから最後にマダラを加え、さっと火が通った段階で食べるのが一番美味しい状態です。火を通しすぎると身がパサパサになりやすいため、ふわっとした食感が残っているうちに食べることを意識してください。
味付けは醤油ベースのすまし仕立てが最もマダラの旨みを引き立てます。味噌仕立てにしても美味しく、寒い冬の夜に体の芯から温まる一品になります。
【マダラの天ぷら】
マダラの天ぷらは、外はサクッと中はふわっとした食感が楽しめる一品です。水分が多い魚なので、揚げる前にペーパーで水気をしっかり拭き取ることが美味しく仕上げるための最大のポイントです。
薄力粉を軽くまぶしてから天ぷら衣をつけると、衣が剥がれにくくなります。油の温度は170〜180度を目安にして、片面2〜3分ずつ揚げると中まで火が通ります。揚げ上がりに塩をふってそのまま食べるのが魚屋のおすすめです。天つゆに大根おろしを添えても美味しくいただけます。
【マダラの白子ポン酢】
マダラの白子は冬を代表する珍味のひとつで、魚屋の店頭でも冬場になると問い合わせが増える人気の部位です。クリーミーでとろけるような食感と、濃厚なコクが特徴で、シンプルにポン酢をかけるだけで白子本来の旨みが存分に楽しめます。
白子は流水で丁寧に洗い、表面の薄皮や血合いを取り除きます。沸騰したお湯に塩をひとつまみ加えて白子をさっとくぐらせ、冷水に取って水気を切ります。器に盛りつけてポン酢をかけ、刻みねぎと紅葉おろしを添えれば完成です。火を通しすぎると食感が損なわれるため、表面が白くなる程度で引き上げるのがコツです。
市場での仕入れでは、白子つきのマダラが入ると「今日は当たりだ」という気持ちになります。白子の大きさと状態を見れば魚の鮮度も大体わかるもので、張りがあってきれいな乳白色のものが新鮮な証です。
【マダラの真子煮付け】
マダラの真子(卵巣)も捨てずに活用できる部位です。真子は醤油・みりん・酒・砂糖で甘辛く煮付けると、ご飯が進む絶品の一品になります。
鍋に醤油大さじ二・みりん大さじ二・酒大さじ二・砂糖小さじ一・水50ミリリットルを合わせて火にかけ、煮立ったところに真子を入れて落とし蓋をして中火で10分ほど煮ます。途中で煮汁をかけながら煮ると味がよく染み込みます。冷めてからの方が味がなじんで美味しくなるため、作り置きにも向いています。
【マダラのアラ汁】
マダラを捌いた後に残る頭や中骨はアラ汁にすると絶品です。霜降りをしてから鍋に入れ、水から昆布と一緒に火にかけます。マダラの頭はゼラチン質が豊富で、じっくり煮込むとトロトロのコラーゲンたっぷりのスープになります。味噌を溶き入れた味噌汁にしても、塩と薄口醤油で整えた潮汁にしても体が温まる一品です。
寒い冬の朝に市場から戻ってきた後、マダラのアラで作った汁物を一杯飲むと体の芯から温まります。毎朝4時前に起きて極寒の市場で仕入れをしてきた後の一杯は格別で、魚屋をやっていて良かったと感じる瞬間のひとつです。
【まとめ】
マダラは鍋・天ぷら・白子ポン酢・真子煮付けとさまざまな食べ方で楽しめる冬を代表する魚です。淡白な白身は幅広い料理に対応でき、白子や真子などの副産物も余すところなく活用できます。火を通しすぎないことと水気をしっかり拭き取ることの二点を意識するだけで、仕上がりが大きく変わります。冬場に見かけた際はぜひ丸のまま手に取って、さまざまな食べ方を楽しんでみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

タイトルとURLをコピーしました