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魚を一尾まるごと買ってきたものの、いざさばこうとすると三徳包丁では骨が硬くて刃が止まったり、身がぐちゃぐちゃになったりした経験はありませんか。家庭で魚をきれいにさばくなら、専用の出刃包丁が一本あるだけで仕上がりがまるで変わります。今回は20年以上魚屋をやってきた立場から、出刃包丁の選び方と、家庭で扱いやすいおすすめの一本をご紹介します。
魚の捌き方はYouTubeチャンネル「おととチャンネル」でも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
【出刃包丁が家庭の魚料理を変える理由】
三徳包丁や牛刀は野菜や肉を切るために作られた包丁で、刃が薄く両刃になっています。これで魚の頭を落としたり背骨を断ち切ろうとすると、刃が硬い骨に負けて欠けてしまったり、力が逃げて身を潰してしまうことがよくあります。お客さんからも「家でさばこうとしたら身がボロボロになった」という相談を本当によく受けます。
出刃包丁は刃が厚く重みがあり、片刃で作られています。この重さと厚みが魚の硬い骨を断つときに威力を発揮し、力を入れなくても包丁の自重だけで頭が落ちていきます。片刃であることで、中骨に沿ってすっと刃を入れて身をきれいに切り離せるのも大きな利点です。一本持っているだけで、家庭での魚料理のハードルがぐっと下がります。
【包丁は大きさより使い手の技術と手入れで決まる】
出刃包丁にはいろいろなサイズがあり、大きいものほど大きな魚を、小さいものほど小さな魚を、と思われがちです。もちろんそういう目安はあるのですが、実は包丁の大きさよりも、使い手の技術と日々の手入れのほうがはるかに大切です。
うちの魚屋では、私は一尺(約30センチ)もある大出刃を毎日使っています。この大きな出刃で、実は小アジのような小さな魚まで繊細にさばいています。その様子はおととチャンネルの動画にも映っているのですが、刃の大きさに振り回されず、刃元から切っ先までをコントロールできれば、大きな包丁でも小さな魚をきれいに扱えるのです。逆に言えば、どんなに高い包丁を買っても、切れ味を保つ手入れを怠れば宝の持ち腐れになってしまいます。
【家庭には150mm前後の出刃包丁が扱いやすい】
とはいえ、これから初めて出刃包丁を買うご家庭の方に一尺の大出刃をおすすめするかというと、それは現実的ではありません。プロの現場では一日中包丁を握り、まな板も大きく、扱う魚の量も桁違いです。ご家庭のキッチンとまな板のサイズ、そして扱う魚の大きさを考えると、刃渡り150mm前後の出刃包丁がいちばん取り回しがよく、扱いやすいと感じます。
150mmという大きさは、アジやサバ、イワシといった家庭でよく登場する魚を一通りさばける万能なサイズです。大きすぎないので女性の手でもコントロールしやすく、それでいて出刃ならではの重みがあるので、しっかり骨も断てます。最初の一本としてこのサイズを選んでおけば、まず後悔することはありません。
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なお、同じ150mmの出刃包丁でも、販売店によって価格や細かな仕様が若干異なる場合があります。柄の素材や鋼材の違いで差が出ることもあるので、ご予算と好みに合わせて選んでみてください。安いものでも家庭用としては十分役立ちますが、長く使うことを考えると、しっかりした作りのものを選んでおくと手入れもしやすく、結果的に長持ちします。
【出刃包丁を長持ちさせる手入れのコツ】
出刃包丁は片刃で鋼を使ったものが多く、ステンレスの三徳包丁よりも錆びやすい性質があります。せっかく良い包丁を買っても、使いっぱなしにすると刃が錆びてあっという間に切れ味が落ちてしまいます。使ったあとは必ず水気をしっかり拭き取り、乾いた状態で保管することが何より大切です。
うちの魚屋でも、一日の仕事が終わると包丁を丁寧に拭き上げてから片付けます。これを毎日続けているからこそ、良い包丁を何年も使い続けられるのです。家庭でも、魚をさばき終わったらすぐに洗って水気を拭く、この習慣さえつければ十分です。切れ味が落ちてきたと感じたら、砥石で研いであげれば新品のような切れ味が戻ります。包丁は使い捨てではなく、手入れしながら長く付き合っていく道具だということを、ぜひ覚えておいてください。
【まとめ】
家庭で魚をきれいにさばくなら、専用の出刃包丁が一本あるだけで仕上がりも作業のしやすさも段違いになります。包丁は大きさよりも使い手の技術と手入れが大切ですが、これから揃えるご家庭には、取り回しのよい150mm前後の出刃包丁がいちばんおすすめです。アジやサバといった身近な魚を一通りさばける万能なサイズなので、最初の一本としてぜひ手に取ってみてください。良い道具と少しの手入れがあれば、家庭の魚料理はもっと楽しく、もっと美味しくなります。
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魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
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魚の基本知識