【アカムツの塩焼きはなぜ絶品なのか】
アカムツの塩焼きは「白身のトロ」と呼ばれるにふさわしい最高の食べ方のひとつです。シンプルに塩を振って焼くだけという非常にシンプルな料理ですが、だからこそアカムツの脂のりと旨味が最大限に引き出されます。加熱することで皮目からじんわりと脂が溶け出してふっくらジューシーに仕上がるアカムツの塩焼きは一度食べると忘れられない美味しさです。
料亭や高級料理店でもアカムツの塩焼きは定番メニューとして提供されており一尾の塩焼きに数千円以上の価格がつくこともあります。それほどの価値がある料理ですが自宅でも正しい手順とちょっとしたコツを押さえるだけで料亭に負けない絶品の塩焼きが作れます。
アカムツの塩焼きが美味しい理由は脂の質にあります。アカムツに含まれる脂はDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富で融点が低いのが特徴です。加熱すると脂がすっと溶け出してしつこさがなくさっぱりとした後味になります。濃厚な脂のりなのに後味がさっぱりしているというアカムツならではの特徴が塩焼きという調理法で最も際立ちます。
【材料(2人分)】
アカムツの切り身または一尾:2切れ、塩:適量、酒:大さじ1、すだちまたはレモン:適量、大根おろし:適量
【下処理と塩の振り方】
アカムツの塩焼きを絶品に仕上げるための最初のポイントが下処理と塩の振り方です。切り身の場合はそのまま使えますが一尾丸ごと使う場合は内臓を取り除いてから使います。
まず切り身の表面をキッチンペーパーで丁寧に拭いて余分な水気を取り除きます。水気が残ったまま塩を振ると余分な水分が出すぎて仕上がりがべちゃっとした食感になってしまいます。しっかり水気を拭き取ることがふっくらジューシーな塩焼きに仕上げるための第一歩です。
次に塩を振ります。塩はできれば粗塩を使うのがおすすめです。粗塩は細かい食塩よりもまろやかな塩気になりアカムツの上品な旨味を引き立てます。塩の量は切り身の重さに対して1〜2パーセント程度が目安です。振りすぎると塩辛くなりすぎるので薄めに均一に振ることを意識してください。
塩を振ったら30分ほど常温で置きます。この時間を置くことで塩が身に染み込んで余分な水分が出てきます。出てきた水分をキッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。この工程を省いて焼くと焼いている途中に余分な水分が蒸発して身がパサつく原因になります。塩を振ってから焼くまでの時間をしっかり取ることが絶品の塩焼きに仕上げるための大切なひと手間です。
ヒレの部分には化粧塩を施します。化粧塩とはヒレに多めに塩を塗り付けることでヒレが焦げるのを防ぐ作業です。ヒレに塩をしっかりまぶしておくと焼き上がりのヒレが美しく仕上がり見た目も料亭のような一皿になります。
【焼き方のコツ】
アカムツの塩焼きを絶品に仕上げるための最大のポイントが焼き方です。魚焼きグリルを使う場合は必ずグリルを十分に予熱してから魚を入れます。予熱が不十分な状態で魚を入れると皮がグリルの網にくっついて剥がれる原因になります。グリルを2〜3分予熱してから魚を入れることで皮がパリッときれいに仕上がります。
アカムツは皮目を上にして焼きます。皮目を上にして焼くことで脂が皮目からじんわりと身に落ちてふっくらジューシーに仕上がります。強火で一気に焼くのではなく中火でじっくり焼くことが大切です。強火で焼くと表面だけが焦げて中まで火が通らない原因になります。
焼き時間の目安は切り身の場合で片面5〜6分程度です。皮目に焼き色がついて脂がじんわりと滲み出てきたら裏返します。裏側は3〜4分程度焼けば十分です。焼きすぎると脂が全て落ちてしまいパサついた仕上がりになるので焼き時間は守るようにしてください。
フライパンで焼く場合はクッキングシートを敷いてから焼くと皮がくっつかずきれいに仕上がります。フライパンの場合も必ず予熱してからクッキングシートを敷いて魚を並べます。蓋をして蒸し焼きにすると中までしっかり火が通りふっくらと仕上がります。
【仕上げと盛り付け】
焼き上がったアカムツを皿に盛り付けます。皮目を上にして盛り付けると焼き色が美しく見た目も料亭らしい一皿になります。大根おろしをたっぷり添えてすだちまたはレモンを絞ると脂ののったアカムツとの相性が抜群です。
大根おろしはアカムツの脂をさっぱりさせてくれる効果があります。濃厚な脂のりのアカムツだからこそ大根おろしとの組み合わせが特に重要です。すだちの爽やかな酸味も脂の甘みを引き立てアカムツの美味しさをさらに際立たせます。
焼き上がった皮目はパリッとしていて香ばしく身はふっくらとジューシーな仕上がりになっているはずです。皮目の香ばしさと身の濃厚な旨味と脂の甘みが一体となったアカムツの塩焼きはまさに白身のトロの名にふさわしい絶品の一皿です。
【塩焼きをさらに美味しくするひと手間】
塩焼きをさらに美味しくするためのひと手間を紹介します。焼く前に切り身の表面に酒を少量塗っておくと酒の風味が加わり臭みがさらに抑えられます。酒を塗ったらキッチンペーパーで軽く拭き取ってから塩を振ると効果的です。
昆布の上にアカムツをのせて焼く方法もおすすめです。昆布の旨味成分が身に移り塩焼きに深みが加わります。昆布焼きとも呼ばれるこの方法は料亭でも取り入れられている技法で自宅でも手軽に試せます。
塩は焼く直前ではなく30分前に振ることが大切です。この時間差が余分な水分を抜いて旨味を凝縮させる効果をもたらします。時間に余裕があれば塩を振ってから1時間置くとさらに旨味が凝縮されて美味しくなります。
【まとめ】
アカムツの塩焼きは塩を振ってから30分置いて余分な水分をしっかり拭き取ること、グリルを十分に予熱してから中火でじっくり焼くことの2点が絶品に仕上げるための最大のポイントです。シンプルな料理だからこそこのひと手間が仕上がりを大きく左右します。大根おろしとすだちを添えることでアカムツの濃厚な脂のりと旨味がさらに際立ちます。白身のトロと呼ばれるアカムツの塩焼きをぜひ自宅で作ってみてください。料亭で食べるような絶品の一皿が自宅で楽しめます。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
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