【ホンビノスガイの捌き方!魚屋が教えるさばき方の手順とコツ】

ホンビノスガイは近年スーパーや魚屋の店頭で見かける機会がぐっと増えた大型の二枚貝です。ハマグリに似た見た目とぷりぷりの食べ応えのある身、そして手頃な価格で人気が高まっています。ただしアサリやハマグリと比べて殻が非常に厚く硬いため、扱い方には少しコツが必要です。魚屋として実際に扱ってきた経験をもとに、下処理から貝の開け方まで丁寧にお伝えします。
魚の捌き方はYouTubeチャンネル「おととチャンネル」でも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
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【ホンビノスガイを扱う前に知っておきたいこと】
ホンビノスガイはもともと北米大陸の大西洋岸に生息していた貝で、アメリカではクラムチャウダーに使われる「クラム」として古くから親しまれてきました。日本では2000年前後から東京湾で確認されるようになり、現在では千葉県の船橋や市川の沿岸を中心にすっかり定着しています。殻は灰白色で厚みがあり、ハマグリより丸みを帯びてずっしりと重いのが特徴です。
うちの魚屋でも扱い始めた頃は「これは何の貝?」と聞かれることがほとんどでしたが、最近では「ホンビノスある?」と指名買いしてくれるお客さんが増えてきました。ハマグリより安く、身は大きくて食べ応えがあるので、一度食べた方がリピーターになってくれる印象です。
購入したらまず生きているかどうかを確認してください。口が開きっぱなしで触っても閉じないものは死んでいる可能性が高いので取り除きます。ホンビノスガイは身が大きい分、死んだ個体が混じったときの臭いへの影響が大きいので、この確認は必ず行ってください。
【砂抜きと臭み抜きの手順】
ホンビノスガイは海の貝なので、砂抜きにはアサリと同じ海水程度の塩水を使います。水1リットルに対して塩30グラムが目安です。ただしホンビノスガイは泥の深い場所に潜って生息しているため、実はアサリほど砂を含んでいません。砂抜きというより、体内に残った海水や泥の臭みを抜く目的で塩水に2〜3時間浸けておくイメージです。容器に重ならないよう並べ、暗くして置いてください。夏場は必ず冷蔵庫に入れます。
ホンビノスガイは個体によって硫黄のような独特のにおいを持つことがあります。これは生息している泥の環境によるもので、傷んでいるわけではありませんが、気になる場合は塩水に浸けたあと、ざるに上げてそのまま1時間ほど置いてください。余分な水分と一緒に臭みが抜けて、ぐっと食べやすくなります。仕上げに流水で殻同士をこすり合わせながらしっかり洗えば下処理は完了です。
【手で開く方法】
ホンビノスガイの殻は非常に硬く、合わせ目もがっちりと閉じています。手で開く場合は、先の丸いテーブルナイフやバターナイフのような刃物を使うのが安全です。鋭利な包丁を無理にこじ入れるとケガの原因になるので避けてください。
まず貝を厚手のタオルで包むようにしっかり持ちます。蝶番の反対側、合わせ目のわずかな隙間にナイフの先を当て、ゆっくりと差し込んでいきます。刃が入ったら上の殻の内側に沿わせるように動かし、貝柱を切り離します。貝柱は左右2か所にあるので、両方を丁寧に外すと殻がすっと開きます。下の殻側の貝柱も同じように切れば身を取り出せます。
どうしても固くて刃が入らない場合は、冷凍庫に30分から1時間ほど入れてみてください。貝柱が緩んで格段に開けやすくなります。なおホンビノスガイは加熱調理が基本の貝です。手開きはグラタンや焼き物にする前の下処理として行い、取り出した身は必ず火を通してから食べるようにしてください。
【加熱して開ける方法】
酒蒸しやスープにする場合は、加熱すれば自然に口が開きます。ただし殻が厚い分、アサリより開くまでに時間がかかります。強火で急がせるのではなく、中火でじっくり加熱するのがコツです。また身が大きいので、口が開いた直後はまだ中心まで火が通っていないことがあります。開いてからさらに30秒から1分ほど加熱して、身全体にしっかり火を入れてください。加熱しても口が開かないものは死んでいる可能性があるので、無理にこじ開けて食べないようにしてください。
【まとめ】
ホンビノスガイは殻が厚く硬い分、扱いに少しコツがいりますが、下処理自体は塩水に浸けて洗うだけと非常にシンプルです。臭みが気になる個体はざるに上げて置く時間を作ること、手開きの際は先の丸いナイフを使って安全に作業すること、加熱の際はアサリより長めにじっくり火を入れること。この3点を押さえれば、ぷりぷりで旨みたっぷりの身を存分に楽しめます。手頃な価格で食べ応え抜群のホンビノスガイ、ぜひ一度ご家庭で扱ってみてください。
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