カマスの基礎知識|魚屋が教える旬・種類・選び方のすべて

カマスは秋の味覚を代表する魚のひとつで、魚屋の店頭でも秋口になると人気が高まる魚です。細長い体型と鋭い歯が特徴的で、見た目のインパクトとは裏腹に上品な白身で食べやすく、塩焼きや干物として幅広い世代に親しまれています。今回はカマスの種類や旬、栄養、選び方など基礎的な知識を魚屋目線でくわしく解説します。
カマスの捌き方を動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
https://youtu.be/NAO_vODe_oY
【カマスの種類と見分け方】
日本で流通しているカマスは主にアカカマスとヤマトカマスの2種類です。アカカマスは体色がやや赤みを帯びており、脂のりがよく刺身や塩焼きに向いています。高級魚として扱われることも多く、市場でも値段が高めに設定されています。一方ヤマトカマスは体色が銀白色で水分が多めの身質のため、干物や開きに加工されることがほとんどです。スーパーや魚屋で「カマスの干物」として売られているものの多くはヤマトカマスです。岸田さんの店では秋になると両方仕入れることがありますが、刺身や塩焼き用にはアカカマスを、干物用にはヤマトカマスを使い分けているといいます。見た目だけでは判断が難しいこともあるため、購入時に魚屋に種類を確認してみるのもよいでしょう。
【カマスの旬はいつ?】
カマスの旬は秋から初冬にかけて、具体的には9月から11月頃が最も脂がのって美味しい時期です。夏の間にたっぷりと餌を食べて育ったカマスが、秋になると脂を蓄えて食べ頃を迎えます。この時期のカマスは身に適度な脂がのっており、塩焼きにすると皮がパリッと香ばしく仕上がり、身はふっくらとした食感になります。岸田さんの店でも秋口になると常連客から「カマスはもう出てる?」と声をかけられることが増えるといいます。目の肥えたお客さんほど旬の時期を知っており、一番美味しいタイミングを逃さず購入しに来るそうです。春から夏にかけても流通はしていますが、脂のりや味は秋のものに比べると落ちるため、できれば秋の旬の時期に食べることをおすすめします。
【カマスの産地と漁獲方法】
カマスは日本各地の沿岸域に生息しており、主な産地としては和歌山県・静岡県・高知県・長崎県などが知られています。定置網や刺し網などで漁獲されることが多く、鮮度が落ちやすい魚であるため、産地から近い地域ほど新鮮なものが手に入りやすい傾向があります。岸田さんが仕入れる市場でも、秋になると各産地から新鮮なカマスが入荷し、仕入れ値も日によって変動するといいます。問屋との長年の付き合いがあると、良質な個体を優先的に取り置きしてもらえることもあり、そういった信頼関係が美味しい魚を仕入れる上で非常に大切だと岸田さんは話します。
【カマスの栄養成分】
カマスは高タンパク低カロリーで栄養価の高い魚です。良質なタンパク質を豊富に含んでおり、筋肉の維持や疲労回復に効果的です。また青魚ほど多くはありませんが、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸も含まれており、血液をサラサラにする効果や脳の活性化に役立つとされています。さらにビタミンB12やビタミンDも含まれており、神経機能の維持や骨の健康にも寄与します。旬の秋から冬にかけては脂のりがよくなるため、これらの栄養成分もより多く含まれています。
【新鮮なカマスの選び方】
魚屋やスーパーでカマスを選ぶ際は、いくつかのポイントを押さえておくと新鮮なものを選びやすくなります。まず目が澄んでいて黒目がはっきりしているものを選びましょう。目が白く濁っているものは鮮度が落ちているサインです。次に体表にツヤと張りがあり、触ったときにしっかりとした弾力があるものが新鮮です。エラを確認できる場合は、鮮やかな赤色をしているものが良品です。また、お腹が張っていてふっくらしているものは内臓の状態が良好なことが多く、鮮度の高さを示しています。岸田さんは「カマスは目とツヤを見れば鮮度がだいたいわかる」といいます。魚屋では遠慮なく鮮度を確認してから購入することをおすすめします。
【カマスの食べ方と料理バリエーション】
カマスの代表的な食べ方は塩焼きと干物ですが、それ以外にもさまざまな料理に活用できます。新鮮なアカカマスであれば刺身や炙り刺身として食べることができ、皮目を炙った焼き霜造りは香ばしさと旨みが絶妙にマッチした一品です。また、フライや南蛮漬けにするとカラッとした食感が楽しめ、子供にも食べやすい料理になります。すり身にして団子汁やつみれ汁にするのも美味しい食べ方のひとつで、カマスの上品な旨みがスープに溶け込んで絶品です。さまざまな料理に使える汎用性の高さも、カマスが魚屋で人気を集める理由のひとつです。
【まとめ】
カマスはアカカマスとヤマトカマスの2種類が主に流通しており、旬は秋から初冬にかけてです。目が澄んでいて体表にツヤがあるものを選ぶと新鮮なものを手に入れやすくなります。高タンパクで栄養価が高く、塩焼きや干物をはじめさまざまな料理に活用できる使い勝手のよい魚です。旬の時期に新鮮なカマスを見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A

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