シャコの剥き方!魚屋が教える茹で方と殻のむき方の手順とコツ

シャコは、寿司ネタとしてはおなじみでも、家庭で丸ごと扱ったことがあるという方は少ないかもしれません。あの硬い殻をどう剥けばいいのか、そもそも茹でるところから分からないという声を、うちの魚屋でもよく耳にします。実際シャコは、茹で方と剥き方さえ押さえてしまえば家庭でも十分に扱える食材です。ここでは、シャコを買ってきてから食べられる状態にするまでの手順とコツをお伝えします。

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【シャコを扱う前に知っておきたいこと】

まず知っておいていただきたいのが、シャコはエビの仲間ではないということです。見た目はエビに似ていますが、分類上はまったく別のグループに属する生き物で、体のつくりも違います。エビのように背中側から殻を剥いていく方法は通用せず、シャコには専用の剥き方があります。

もうひとつ大事なのが、鮮度が落ちるのが非常に早いという点です。シャコは自分の持つ酵素で身が溶けていく性質が強く、死んでから時間が経つと身が痩せて殻の中でスカスカになってしまいます。産地では活きているうちに茹でるのが鉄則とされていて、これは家庭でも同じです。活きたシャコを買ってきたら、その日のうちに、できればすぐに茹でてください。茹でてしまえば時間を止められます。すでに茹でられた状態で売られているものは、そのまま剥く工程から始められます。

【用意する道具】

必要なのは、大きめの鍋、塩、キッチンばさみ、そして軍手かゴム手袋です。シャコの殻の縁は細かいトゲ状になっていて素手で扱うと指を切ることがありますので、手袋は用意しておいたほうが安全です。うちの魚屋でも、シャコを扱うときは必ず手袋をします。

包丁ではなくキッチンばさみを使うのがシャコの特徴です。殻の両側を縦に切り落としていく作業になるため、はさみのほうが圧倒的に速く、失敗も少なくなります。刃先が細めのものだと扱いやすいです。

【シャコの茹で方】

活きたシャコが手に入ったら、まず茹でます。鍋にたっぷりの湯を沸かし、海水程度の塩加減にします。水一リットルに対して塩三十グラムほどが目安です。塩を入れることで身が締まり、水っぽくならずに味も入ります。

湯が沸騰したらシャコを入れます。一度にたくさん入れると湯の温度が下がってしまいますので、数回に分けて入れるのがコツです。茹で時間は大きさによりますが、おおむね四分から五分です。シャコの色が青灰色から赤みを帯びた色に変わり、殻に張りが出てきたら茹で上がりの合図になります。茹ですぎると身が痩せてパサつきますので、時間は守ってください。

茹で上がったらざるに上げ、そのまま冷まします。氷水に落とす方法もありますが、シャコの場合は水っぽくなりやすいので、うちわであおぐか、ざるに広げて自然に粗熱を取るほうが身がしっかりします。完全に冷めてから剥くと、殻と身が離れやすくなります。熱いうちに無理に剥こうとすると身が崩れますので、必ず冷ましてから作業に入ってください。

【殻の剥き方の手順】

ここからが本番です。まずシャコを腹側が見えるように置きます。腹側は白っぽく、足がたくさん並んでいるほうです。背中側は殻が硬く、縞模様が見えます。

最初に頭を切り落とします。目のすぐ後ろあたりにはさみを入れ、まっすぐ切り落としてください。次に尾のほうですが、尾の扇形に広がった部分の付け根で切り落とします。この頭と尾を先に落としておくと、後の作業がやりやすくなります。

続いて、胴体の両側にはさみを入れます。シャコの体を横から見ると、背中側の硬い殻と腹側の柔らかい殻の境目に、細い縁のような部分があります。ここに沿って、頭側から尾側へ向かって一直線に切り進めてください。これを左右両側で行います。うまく切れていれば、背中側の殻がふたのように開けられる状態になります。

【身を取り出すコツ】

両側を切り終えたら、尾のほうから背中側の殻をつまんで、頭のほうへ向かってゆっくり剥がしていきます。ここで慌てて引っ張ると身がちぎれますので、殻と身の間に指を差し込むようにしながら、少しずつ持ち上げていくのがコツです。

背中側の殻が外れたら、今度は腹側の殻を外します。腹側には足がついていますので、足ごとつまんで剥がすようにすると一枚で取れます。最後に、身の中央に残っている薄い膜や汚れがあれば、指でなぞって取り除いてください。これで一尾分の身が取れます。

慣れるまでは一尾に時間がかかりますが、要領をつかむと一分もかからずに剥けるようになります。うちの魚屋でも、シャコを剥く作業は数をこなすほど手が覚えていく仕事です。両側を切るときに切り込みが浅いと殻が外れませんので、思い切って縁ぎりぎりまで刃を入れるのが上達の近道です。

【卵を持ったシャコの扱い】

春先のシャコには卵を持ったものがあり、これはカツブシと呼ばれて珍重されます。頭のすぐ後ろあたりに、オレンジ色から黄色の細長い塊として入っています。剥くときにこの部分を傷つけないよう、頭を落とす位置を少し後ろにずらすと残しやすくなります。

卵は身と一緒に食べると濃厚な旨みがあり、シャコの季節ならではの味わいです。もし卵入りのシャコが手に入ったら、剥くときに気をつけてみてください。

【まとめ】

シャコはエビとは別の生き物で、剥き方にも専用の手順があります。活きたものはその日のうちに、塩を入れた湯で四分から五分茹で、ざるに広げて自然に冷ますのが基本です。剥くときは、頭と尾を切り落としてから胴の両側にはさみを入れ、背中側の殻を尾から頭へ向かって剥がし、最後に腹側の殻を足ごと外します。手袋とキッチンばさみを用意して、両側の切り込みをしっかり入れることが、きれいに剥くための一番のコツです。硬い殻に手こずるイメージがあるかもしれませんが、手順どおりに進めれば家庭でも十分に扱えます。旬の時期に見かけたら、ぜひ丸ごと一度挑戦してみてください。

魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。

この記事を書いた人
おとと

魚屋歴20年の現役魚屋「おとと」です。毎日店頭で魚を捌きながら、魚の捌き方・料理・保存方法をブログとYouTube「おととチャンネル」(登録者1.1万人)で発信しています。現場のプロ目線で、家庭でもできる魚の扱い方をわかりやすくお伝えします。

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