キハダマグロは脂が少なく赤身が中心のマグロだけに、保存方法を誤ると風味が落ちやすい魚です。特に40キロを超えるような大型の個体を扱う場合は、保存の仕方にもより気を配る必要があります。今回は魚屋の現場での経験をもとに、キハダマグロの正しい下処理と保存方法をお伝えします。
キハダマグロの捌き方をYouTubeでも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
【鮮度の見極め方】
キハダマグロを購入するときは、まず身の色合いを確認してください。新鮮なキハダマグロの赤身は透明感のある鮮やかな赤色をしています。時間が経つと色がくすんで茶色っぽくなってくるので、購入時はできるだけ色鮮やかなものを選んでください。柵で購入する場合は切り口にドリップが多く出ていないかも確認しましょう。ドリップが多いものは鮮度が落ちている可能性があります。うちの魚屋でも仕入れの際は身の色とドリップの量を必ず確認し、状態の良いものを選んで店頭に並べています。
【大型個体を捌いた後の処理】
40キロを超えるような大型のキハダマグロを捌いた後は、四つ割りにした柵をすぐに小分けにして処理することが大切です。大きな柵のまま放置すると、表面から水分が出てきて鮮度が落ちやすくなります。柵を切り分けたら表面に出てきた水分をキッチンペーパーでこまめに拭き取り、清潔な状態を保つようにしてください。店では大型のマグロを捌いた後、すぐに使う分と保存する分を分けて処理を進め、保存する分は速やかに冷蔵または冷凍の工程に移すようにしています。
【冷蔵保存の方法】
すぐに食べる場合は冷蔵保存します。柵の状態のままキッチンペーパーで包んで余分な水分を吸わせ、その上からラップでぴったりと包んでチルド室に置いてください。キハダマグロは脂が少ない分、空気に触れると変色が進みやすいので、ラップを身に密着させて空気を遮断することが大切です。冷蔵保存の場合は当日か翌日中に食べ切るのが理想です。
【冷凍保存の方法】
すぐに食べない場合は冷凍保存が有効です。柵の状態のままラップでしっかりと包み、さらにアルミホイルで包んで急速冷凍します。アルミホイルを使うことで熱伝導が良くなり、早く冷凍することができ、品質の劣化を抑えられます。ジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜いた状態で冷凍庫に入れてください。冷凍保存の場合は2週間から3週間を目安に使い切るようにしてください。解凍する際は冷蔵庫でゆっくり解凍するのが基本です。急速に解凍するとドリップが多く出てしまい、旨みが流出して味が落ちる原因になります。アニサキスがいる魚介類は一度マイナス18度以下で24時間冷凍して下さい。
【脂が少ないマグロ特有の注意点】
キハダマグロは脂が少ない分、クロマグロやメバチマグロに比べて乾燥や変色が早く進む傾向があります。保存する際は身の表面が空気に触れないよう、ラップをしっかり密着させることが特に重要です。また冷蔵保存中も時間が経つと色が変わりやすいので、購入後はできるだけ早めに食べ切ることを意識してください。脂が少ない特性を理解して扱うことで、キハダマグロ本来のすっきりとした美味しさを保ったまま楽しめます。
【大型個体のアラの保存】
大型のキハダマグロを捌いた際に出る頭や中骨、アラの部分も、すぐに使わない場合は冷凍保存しておくと無駄なく活用できます。血合いをしっかり洗い流してから保存することで臭みを抑えられます。大型魚のアラは量も多くなるので、使う分量に分けて小分けに冷凍しておくと、後で使うときに便利です。
【まとめ】
キハダマグロは脂が少ない分、変色や乾燥が進みやすい魚です。柵取り後はこまめに水分を拭き取り、冷蔵の場合は当日中、冷凍の場合は急速冷凍を行い2週間から3週間以内に使い切るようにしてください。大型の個体を扱う場合は、捌いた後すぐに小分けにして処理を進めることが鮮度を保つポイントです。正しい保存方法を心がけることで、キハダマグロのすっきりとした美味しさを存分に楽しめます。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
