【カンパチってどんな魚?】
カンパチはブリやヒラマサと並んで「ブリ御三家」と呼ばれる高級青魚です。目の上から背中にかけて八の字に見える黒い模様があることから「間八」という名前がついたとされています。魚屋の現場でも人気が高く、刺身の盛り合わせには欠かせない存在です。
旬は夏から秋にかけてで、特に7月〜9月のカンパチは脂がのりながらも身が締まっており、ブリよりもさっぱりとした上品な旨味が楽しめます。ブリが冬の魚であるのに対し、カンパチは夏に美味しくなる魚として魚屋の間では重宝されています。天然物はもちろん、養殖のカンパチも品質が高く、スーパーや魚屋で一年中手に入るのも嬉しいポイントです。
身は淡いピンク色で、歯ごたえがしっかりしているのが特徴です。コリコリとした食感と甘みのある旨味はクセになる美味しさで、刺身・カルパッチョ・漬け丼・しゃぶしゃぶなど幅広い料理で活躍します。
【捌く前に準備するもの】
カンパチを捌く前に道具をそろえておきましょう。必要なものは出刃包丁・柳刃包丁・まな板・ウロコ取り・骨抜き・キッチンペーパーです。カンパチはブリと同様に大型になる魚で、1メートルを超えるものもいますが、魚屋やスーパーで販売されているものは2〜4キロ程度のサイズが多いです。家庭で捌く場合はこのサイズが扱いやすくておすすめです。
まな板は大きめのものを用意すると作業がしやすくなります。包丁はしっかり研いでおくことが大切で、切れない包丁では身が崩れてせっかくの旨味が損なわれてしまいます。
【ウロコの取り方】
カンパチのウロコは細かくて数が多く、しっかりと皮に密着しています。ウロコ取りを使って尾から頭に向かってこすりながら取り除きます。カンパチはブリと比べてウロコが飛び散りやすいので、シンクの中か大きなビニール袋の中で作業するのがおすすめです。
背びれや胸びれの周辺、腹部のウロコは取り残しやすい部分です。指で触れながら確認して、残っているウロコがないようにしっかり取り除いてください。ウロコが取れたら流水でよく洗い流します。
【頭の落とし方】
ウロコを取り終えたら頭を落とします。胸びれと腹びれの付け根に沿って斜めに包丁を入れます。カンパチは骨が太くて硬いため、出刃包丁の根元を使って体重をかけながら切り落とすのがポイントです。
背側から包丁を入れて骨に当たったら裏返し、腹側からも同じように包丁を入れて切り落とします。一気に切ろうとすると包丁が滑って危険なので、焦らず丁寧に進めてください。頭はアラとして出汁や兜焼きに使えるので、捨てずに取っておくと一尾で二度楽しめます。
【内臓の取り出し方】
頭を落としたら腹に包丁を入れて内臓を取り出します。肛門から頭側に向かって浅く切り込みを入れ、内臓を丁寧にかき出します。胆のうを傷つけると苦味が身に移るので、ゆっくりと慎重に作業しましょう。
内臓を取り出したら背骨の内側に残っている血合いを取り除きます。歯ブラシや血合い取りを使って流水をかけながらこすり落とすのが効果的です。血合いをしっかり取り除くことが臭みのない美味しい仕上がりへの大切なひと手間です。最後にキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ってから次の工程に進みます。
【三枚おろしの手順】
内臓を取り除いてきれいに洗ったら三枚おろしに進みます。まな板の上に魚を置き、頭側を左・腹側を手前にします。
まず背側から包丁を入れます。背びれに沿って頭側から尾に向かって切り込みを入れ、背骨に当たるまで包丁を進めます。次に腹側も同様に切り込みを入れます。そして背骨の上に包丁を這わせるように、尾から頭方向に向かってゆっくりと身を切り離していきます。
カンパチは身が厚くて骨もしっかりしているため、一度で切り離そうとせず数回に分けて少しずつ包丁を進めるのがコツです。骨際に身を残さないよう、背骨にしっかり包丁を当てながら進めてください。片面が切り離せたら裏返して同じ手順で反対側も切り離します。これで三枚おろしの完成です。
【腹骨と血合い骨の取り方】
三枚におろした身には腹骨と血合い骨が残っています。腹骨は包丁を寝かせて骨に沿うようにそぎ取ります。カンパチの腹骨はしっかりしているので、包丁をしっかり当てながら丁寧に取り除いてください。
血合い骨は骨抜きを使って一本ずつ丁寧に抜いていきます。指で身をなでると骨の位置が確認できるので、感触を確かめながら作業しましょう。この作業を丁寧に行うことで食べるときの口当たりが大きく変わり、刺身としての完成度が上がります。
【皮の引き方】
刺身にする場合は皮を引きます。尾側の端を少し切り、皮と身の間に包丁を入れます。皮をしっかり押さえながら包丁を小刻みに動かして皮と身を切り離していきます。
カンパチの皮はブリよりも薄く、比較的引きやすいです。包丁を動かすのではなく皮を引っ張る側の手を動かすイメージで作業すると、身が崩れずきれいに仕上がります。皮目に銀色の部分(銀皮)を残すように引くと、見た目も美しく旨味も逃げにくくなります。
【刺身の切り方】
カンパチの刺身は平造りが定番です。柳刃包丁を使って、手前に引くように切るのが基本です。カンパチは身が締まっているので、少し厚めに切ると食感が楽しめます。7〜8ミリ程度の厚さを目安にしてください。
切るときは包丁を一方向に引くだけで、押したり往復させたりしないのがポイントです。切り口が滑らかになることで断面が美しくなり、口当たりも良くなります。切った刺身は皿に盛り付けるまでラップをかけて乾燥を防ぎましょう。
【カンパチの美味しい食べ方】
捌いたカンパチはやはり刺身が一番のおすすめです。夏のカンパチは脂がのりながらも後味がさっぱりしていて、醤油とわさびだけで十分に美味しさが伝わります。薄く切ってカルパッチョにするとおしゃれな一品になり、オリーブオイルとレモンとの相性も抜群です。
漬け丼にする場合は醤油・みりん・酒を合わせたタレに30分ほど漬け込むだけで、旨味が凝縮した絶品の漬け丼が完成します。しゃぶしゃぶにしても上品な旨味が楽しめ、夏の食卓にぴったりな料理です。アラは出汁をとって味噌汁にするのが魚屋流のおすすめの使い方です。
【まとめ】
カンパチは夏に旬を迎える高級魚で、ブリよりもさっぱりとした上品な旨味が魅力です。ウロコが細かく飛び散りやすいので最初の下処理に少し手間がかかりますが、三枚おろし自体はブリと同じ手順で進められるので、ブリを捌いたことがある方なら比較的スムーズに取り組めます。血合いをしっかり取り除き、骨抜きを丁寧に行うことで刺身の仕上がりが大きく変わります。旬の夏にぜひ一度挑戦してみてください。
捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
カンパチの捌き方|魚屋が教える三枚おろしと刺身の切り方
捌き方