大きなマグロを目の前にすると、どこから刃を入れればいいのか戸惑ってしまう方も多いと思います。実際に40キロを超えるような大型のキハダマグロを捌くこともある現場の経験から、手順を踏めば大きな魚体でも着実に作業を進められることをお伝えしたいと思います。今回は魚屋の現場での経験をもとに、キハダマグロの捌き方をわかりやすくお伝えします。
キハダマグロの捌き方をYouTubeでも動画で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
【キハダマグロとはどんなマグロか】
キハダマグロはヒレや体の一部が黄色みを帯びていることからその名がついたマグロです。比較的脂が少なく、すっきりとした赤身の味わいが特徴で、刺身や寿司ネタとして広く使われています。サイズの個体差が大きく、小ぶりなものから40キロを超える大物まで店に入ってくることがあります。動画で紹介しているのも44キロという大型のキハダマグロで、これだけの大きさになると捌くにもかなりの体力と手順の理解が必要になります。
【大型マグロを捌く前の準備】
大型のキハダマグロを捌く際は、まず作業スペースの確保が大切です。大きな魚体を寝かせられる十分な台と、滑らないようにしっかり固定できる環境を整えてから作業に入ります。店では大型のマグロが入ったときは、まな板の上だけでなく作業台全体を使い、魚体を安定させながら捌くようにしています。包丁は刃渡りの長いものを使うと作業がしやすくなりますが、動画でもお伝えしているように、刃の入れ方や角度のほうが包丁の長さよりも重要です。
【頭と尾を落とす】
キハダマグロも他のマグロと同様、まずエラの後ろの骨の継ぎ目に刃を入れて頭を落とします。大型になるほど骨も太く硬くなりますが、継ぎ目を正確に見つけられれば力を入れずに刃が入ります。継ぎ目を外れた場所に刃を入れると硬い骨に当たって作業が止まってしまうので、最初に骨の位置を指で確認しながら刃を入れる場所を見極めることが大切です。尾の付け根も同様に、骨の継ぎ目に刃を入れて切り落とします。
【内臓の取り出しと血合いの処理】
頭と尾を落としたら腹を開いて内臓を取り出します。大型のマグロは内臓も大きいため、傷つけないよう慎重に刃を入れながら作業を進めてください。内臓を取り出した後は背骨の脇に残る血合いを丁寧にかき出します。大型魚になるほど血合いの量も多くなるので、ここを丁寧に洗い流すことが臭みを抑えるうえで特に重要になります。流水でしっかり洗い、血合いが残らないように確認してください。
【四つ割りにする手順】
キハダマグロも四つ割りの手順で身を分けていきます。背骨に沿って背側に刃を入れ、骨の上をなぞるように刃を進めて背側の身を切り離します。大型の魚体になるほど刃を入れる距離も長くなるので、一度に刃を引き切るのではなく、何度かに分けて少しずつ進めることが身を傷つけないコツです。背側の両側を切り離したら、腹側からも同じ手順で身を切り離し、合計四本の柵に分けます。
44キロのような大型の個体になると、一本の柵だけでもかなりの重量になります。動画でもお見せしているように、安価な包丁であっても刃をしっかり研いで骨の継ぎ目を正確に見極めれば、大きな魚体でも着実に作業を進めることができます。
【柵取りと皮の引き方】
四つ割りにした身から皮を引きます。皮と身の間に刃を入れ、皮を引っ張りながら刃を寝かせて滑らせるように進めると、身を傷つけずに皮を引くことができます。大型のキハダマグロは皮も厚みがあるので、刃の角度を一定に保ちながら丁寧に作業を進めてください。皮を引いた後は食べやすい大きさの柵に切り分けて完成です。
【まとめ】
キハダマグロは個体によって大きさの差が大きく、40キロを超える大物を捌くこともあります。大型になるほど骨の継ぎ目を正確に見極めることが重要になり、力任せではなく手順を踏んで少しずつ刃を進めることが大切です。包丁の値段よりも刃の入れ方と角度が重要だということは、どんな大きさのマグロでも変わりません。大型魚を捌く機会があれば、ぜひ今回の手順を参考にしてみてください。
魚の捌き方はおととチャンネルで解説しています。
https://youtube.com/channel/UCKgZWNzDVFenWKZGgvUjO6A
